豊かな都市生活の創造に向けて
イノベーションの種を未来につなぐ

グローバルな視点で都市生活における課題解決の本質に迫る研究者

林 和眞

私は、国費留学生として10年間、日本で勉強し、日本の国立研究機関で働いた後、韓国の自治体のシンクタンクとトップレベルの科学技術研究機関・大学で研究を続けてきました。
日本と韓国に関する様々な都市・地域における課題解決について情報科学や統計といった最新の技術を活用して研究を進めてまいりました。
その際に最も重要だと思ったことは、この複雑な世の中における物事の真相や本質に迫ることです。何かについて目に見える現象のみではなく、その裏側と基盤に潜在している様々な事象・法則・環境を時には数式を用い、時にはモデル化を図り、解いていくことで、課題を正しく理解することができる。そして、その理解をさらに今後の取り組みに活かすことが非常に重要であると考えています。さらには、分析-理解―取り組み(実験)により、社会実装につなげていくことが研究を行う上で大事にしているポイントです。

【研究成果】米国共同特許における
東アジア発明者のネットワークの変遷
(2001-2016)

今、「都市の無限競争時代」ともいえるように、大都市圏・地方都市・中核都市のみならず、世界中の都市空間では生き残るための戦略を必死に考えなければならない時代となりました。COVID-19による様々な都市問題もそれらをより加速化していきます。
このような時代の中で、持続可能な都市・地域空間を形成するためには、都市生活者が自らイノベーションを起こして、継続していく必要があります。そのためには、新たなアイディアや原動力が常に必要になります。大学は、レベル高い研究を通じて物事の真相に迫る理解を深め、学生たちが社会に向けて自らの能力を磨いて発揮しながら、サンドボックスのように楽しく実りある社会実装のトライができる環境であるべきだと思います。その中で、教員と研究室が社会との接点を作りながら、イノベーションを動かす人材を育てていくことが何より重要な目標であると認識しています。
デジタル革命により、都市空間とデータサイエンス、そして都市政策は密接につながる時代になりました。私と私が担当している都市イノベーション研究室では、都市をマネジメントしていく中で、少子高齢化や地球環境問題といった様々な社会課題を解決に向けてICT技術を有効に活用しながら都市経営に活かすシステムを研究しております。具体的には、AIとビックデータと都市マネジメントの融合策を提案・開発・実装するサイクルを回すとともに、関連主体と連携しながら適宜修正し実践する活動を行っています。主な研究としては、情報科学と空間政策を組み合わせ、EBPM(科学的な政策決定に向けたエビデンスベースの政策形成)に寄与するための幅広い研究を行っています。

エリアマネジメント活動

さらに都市イノベーション研究室では、オープンかつソーシャルなイノベーションを通じて、社会課題を解決できる提案や研究を民間団体や企業の方々との協働の下で行っており、豊かな都市生活の質向上を目指した幅広い研究を行っています。
産学官連携を積極的推進しており、多数の会社と共同研究の実績があります。また、地域との連携も積極的に行っており、エリアマネジメント活動や団地再生の取り組みなどを実施しています。大学の外と多様なネットワークを通じて連携しあう中で、研究室を構成する学生と教員が都市イノベーションの核、知識のハブとなることを意識していることが特長だと思います。
私は、複雑化する世の中についての深い理解と新たなイノベーションを生み出す社会実装につなげるために、地道な研究をコツコツとやっていきます。

略歴

博士(工学)。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程修了。
国立環境研究所社会環境システム研究センター特別研究員、忠南発展研究員(韓国) 上級研究員、韓国科学技術院(KAIST)未来戦略研究センター上級研究員を経て、現職。
専門は、ビックデータ分析と都市・地域計画、地域イノベーション、社会ネットワーク分析など空間政策と情報科学を組み合わせた幅広い研究。
日本計画行政学会 若手研究優秀賞、日本都市計画学会 論文奨励賞などを受賞。

著書:(代表論文)Hwajin Lim 他 1 (2021) National borders transcended: the impact of geographical proximity on the growth of global innovation networks among cities in East Asia, International Journal of Urban Sciences / Lim, H,他2(2021) Landscape planning based on EBPM: Location prioritization of green space management. Reg Sci Policy Pract. / Hwajin Lim 他1 (2017) Comparing a spatial structure of innovation network between Korea and Japan、Asia-Pacific Journal of Regional Scienceなど多数の研究・執筆実績あり。

担当科目

統計と分析、エリアマーケティング、マーケティング・リサーチ(1)(2)など

ページトップへ戻る