2020年

2020.12.20

学生による研究室紹介13(コミュニティマネジメント研究室)

都市生活学部には19の研究室があります。3年生から各研究室に配属になります。各研究室配属の学生から研究室を紹介してもらいます。第13回は「コミュニティマネジメント研究室」です。

 

■研究室の概要 ~人と人とのつながりから、新しい社会を創発する~

私たちの研究テーマである「コミュニティマネジメント」とは、人と人とのつながりを生み出すことで、誰もが生き生きと暮らせる地域をつくること。都市開発や区画整理といったハード面から都市を変えるのではなく、地域の様々な関係性というソフト面をつなぎ直すことで、地域に変化を生み出していくアプローチです。その手法を具体的なフィールドでの実践を通じて学んでいます。

学生たちは、都市部や地方のフィールドに深く入り込んで、アクションリサーチという手法で地域に関わっていきます。そこではまず、対象地の現状を人と人との関係性の視点から分析し、課題やニーズを抽出、現状を変えていくためにはどのようなアクションを起こせばいいのかを設計します。そして、それを地域の人たちとともに実行し、結果どのようなことが起こったか、またうまくいかなかったとしたら何が原因なのか、こうした試行錯誤やディスカッションを繰り返しながら、地域に対する考え方や働きかけ方を実践的に学んでいきます。

 

■研究室の取り組み  ~尾山台と湯河原 フィールドでの実践を通じた学び~

 2020年度は、世田谷区尾山台の「おやまちリビングラボ」プロジェクトと、神奈川県湯河原町における「ゆがわらっことつくる多世代の居場所」プロジェクトに取り組みました。

 

【おやまちリビングラボプロジェクト】

リビングラボとは、地域コミュニティと大学や企業が連携して地域課題を解決するサービスやデザインを生み出す実験室。大学の地元である尾山台にどのようなリビングラボがあったらよいか?「おやまちリビングラボ」のコンセプト立案のため、尾山台に関わる約40人のキーパーソンにインタビュー調査を実施。「医療・福祉」、「教育」、「経済」、「環境」の4つのテーマから、尾山台で大切にされている価値観や考え方を抽出しました。そこから、尾山台がこれから先どのようなまちになるといいのか、その時必要なリビングラボとはどのようなものなのか、ビジョンを構想しています。また11月からはハッピーロード尾山台の店舗を借り受け「おやまちリビングラボ準備室」を開室。2021年度の本格オープンに向けて準備を進めています。

 

【ゆがわらっことつくる多世代の居場所】

ゆがわらっことつくる多世代の居場所は、子どもからお年寄りまで誰もが「ありのままの自分」でいられる地域の居場所です。子どもたちと一緒に一軒家をリノベーションし、2016年から坂倉研の学生を中心に運営してきましたが、今年の前半はコロナウィルスの感染拡大によって閉室。そこで、居場所のなくなってしまった子どもたちのために、「ゆがわらっことつくるオンラインの居場所」をオープンし、地域のスタッフの方々と共に運営しました。また並行して、コロナ渦の現状のなかでの持続可能なまちづくりに向けて、湯河原町役場に対して「湯河原らしい移住政策」を提案。10月の報告会では、町長以下10名以上の役場の幹部の方々にプレゼンテーションを行いました。年明けには若手職員向けの研修を、学生主導で実施する予定です。

 

【その他のプロジェクト】

その他、港区芝地区での「芝のはらっぱ」プロジェクト、徳島県神山町の「集合住宅プロジェクト」、山形県置賜地方の「人と地域をつなぐ事業」など、実践や研究で坂倉研の学生が全国的に活躍しています。詳しくは、研究室ウェブサイトをご覧ください。これまでの活動もご覧になれます。

 

東京都市大学 坂倉杏介研究室 COMMUNITY MANAGEMENT LAB.

http://sakakuralab.com

 

 

リビングラボのインタビューを分析するワークショップ

 

対面ワークショップで今年初めての集合写真

 

おやまちリビングラボ準備室

 

ゼミ内でのブレスト風景

 

ゆがわらっことつくるオンラインの居場所

 

「湯河原らしい移住政策」の提案