2020年

2020.12.05

学生による研究室紹介3(ユニバーサルデザイン研究室)

都市生活学部には19の研究室があります。3年生から各研究室に配属になります。各研究室配属の学生から研究室を紹介してもらいます。第3回は「ユニバーサルデザイン研究室」です。

 

■研究室の概要 ~あらゆるジャンルのユニバーサルデザインを扱うユニークな研究室~

本研究室では、都市生活者の目線を大切にして、空間・インフラ・製品・サービスなど、様々なジャンルのユニバーサルデザインの実現に向け、ソフト面とハード面の両方を考えながら研究をしています。近年では、MaaS(Mobility as a Service)の概念が普及しています。そのような背景から、次世代型のモビリティと都市生活のあり方、AI・IoT・ビッグデータを生かした都市交通システムの研究も行っています。

 

本研究室の主宰教員である西山敏樹准教授は、ユニバーサルデザイン及び都市交通、未来都市予測等に関連する共同研究を民間企業や地方自治体と多数行っております。アカデミックかつ実践的なプロジェクトが、同時並行的に走る活気のある研究室で、大学院生や学部生がそうしたプロジェクトに入りつつ活躍するチャンスも豊富です。

 

大学院生と学部生の人数が途切れることなくいつも多く、外部企業の研究員の方々もゼミに参画します。西山准教授が誰にもやさしいまちづくりの委員長をつとめる飛騨高山エリアを見ながらの合宿も楽しく、いつも賑やかな研究室になっています。

 

■研究室の取り組み ~とにかく現場を歩いて問題発見・解決を進める~

2020年前期の3年のプロジェクト演習では、「二子玉川の2050」というテーマで、1グループ3人の4つのグループに分かれ、それぞれ30年後はどういう都市になっていくか、又どのようなモビリティが生まれるべきか、議論を重ね計画してきました。

 

後期では、東急株式会社と協働し、静岡県伊東市にある伊豆高原の集客戦略を様々な視点を交えながら研究しています。更に本の出版で知られる丸善雄松堂とも連携し「絵本で学ぶSDGs」のイベントを12月12日・13日に埼玉県三郷市で開催します。

 

一方、現4年生が行ったプロジェクト演習では、渋谷区と連携して、飲食店や宝石店等の個人的店舗のユニバーサルデザインの研究を行いました。実際に身体障がい者の方等にインタビューを行い、日常の生活で困ることや不便なこと等を聞き取り調査で明らかにしました。その結果をもとに、各店舗に向けた新たなユニバーサルデザインの提案をまとめて、渋谷区役所で開催された渋谷福祉学会で発表しました。また、インバウンド需要に向けたユニバーサルデザインの提案も同時に行いました。

 

また、株式会社ゼンリンと協働し、地図の柄がデザインされた「クリアファイル」とユニバーサルデザインを組み合わせた新規商品の企画・製作にも取り組みました。学生グループがクリアファイルへ紙を挟みこめる特徴を活かし、1960年代と2020年の渋谷駅周辺を比較できる商品を製作しました。この製作には、親子、祖父母と孫で本クリアファイルを持って渋谷の街を歩くことで、世代に関係なく街の変化を感じながら街歩きを楽しんでほしいという思い、新しいコミュニケーションのデザインツールになってほしいという思いが込められています。ここでも誰もが利用しやすいものをデザインする「ユニバーサルデザイン」の考え方を取り入れています。

 

我々の研究室では、実際に現地に行ってフィールド調査をして、そこからどういう提案にしていくかをお互い考えながら、それぞれの課題に取り組んでいます。この研究室では、サブプロジェクトごとに西山准教授の共同研究者や知り合いの専門家の前で必ず成果発表会が開催されます。とりわけプレゼンも重視するのも特徴です。

 

文責  4年 稲葉勇太、松田瑞季   3年 、清水優衣、高橋秀明